タワーの定義あれこれ


定義
 「タワーとは、展望及び観光を目的として建てられた塔又は放送等の目的に併せて
 展望及び観光の機能を備えた塔で、動力を用いて登頂するものを言う。」
解説
1.「展望及び観光を目的として」いること。
(1) 多くの放送塔は「展望」を目的とはしていない。このためタワーには含めない。
(2) 火の見櫓は、展望を目的としているが観光を目的にはしていない。ゆえにタワーではない。
(3) 中世ヨーロッパの望楼も同様に、観光は目的としていないので、タワーではない。
(4) それらの望楼を現在にいたって、「展望及び観光」のために、目的を変えた場合はどうか。タワーに
 含められる可能性が出てきたと言うことができる。
2.「塔」であること。
(1) 観覧車は「展望及び観光を目的として」作られており、動力を用いてはいるが、「塔」ではない。した
 がってタワーではない。
(2) 最近では、城も観光と福祉を目的にエレベーターで上れるように造り替えたものもある。しかし、城
 も「塔」ではない。したがってタワーではない。
   なお、望楼と城、どこからが「塔」になるのか。これは個別に判断していくことになる。
(3) 高台にある展望台で、エレベータで登る施設もある。これはまさに「展望及び観光を目的として」お
 り、「動力を用いて」はいる。しかし、形状が「塔」とは言えない場合はタワーには含めない。したがって
 私のホームページではタワー類似施設に分類することになる。
(4) 明らかに別の目的を持って建てられた建物で、展望室を備えたもの。これも「塔」とはいえない場合
 が多いので、タワーには含まない。これにより高層ビルの展望室がタワーからはずれることになる。
3.「動力を用いて」登頂すること。
(1) 歩いて登る塔はタワーには含めない。ここが私の定義の一番のポイントである。展望を目的とする
 展望台は数限りなくあり、その中にはタワーを名乗る塔も多い。しかし、階段を歩いて登る場合はここ
 ではタワー類似施設として取り扱う。これにより、比較的小さな展望塔のほとんどがタワーからはずれ
 ることになる。
(2) 灯台も多くは歩いて登るため、タワーには含まない。
(3) 動力は、通常はエレベーターを想定しているが、エスカレーターも含む。
(4) 一部にエレベーターがあっても、本体の「塔」の部分に歩いて登る場合は、タワーには含めない。
(5) 私の定義では、観光を目的として「動力を用いて」登るように作られた、又は造り替えられた「塔」な
 らタワーということになる。
4.「放送等の目的」の等に含まれるもの
(1) 「放送等の目的」の「等」には何が含まれるか。江の島展望灯台のように「灯台」の機能を持ってい
 る展望塔がこれに含まれる。
5.例外的規定
(1) 一般に「展望室」を公開していない放送塔は「タワー」には含まないが、かつて公開をし、多くの方が
 登頂している塔はタワーに含めた。大阪タワーは現在一般公開をしなくなっており、私の定義では、タ
 ワーではなくなったことになる。しかし、ここではタワーに加えた。私自身が登頂しているし、なによりも
 このページの目的はタワーのテレホンカード収集にあるからだ。(どなたかお持ちの方、ぜひ譲ってく
 ださいませ。よろしくお願いします。)
(2) 田無タワー(現スカイタワー西東京)についても、かつて公開・登頂していた経過が確認できれば、
 タワーに含めたいと考えている。(テレホンカード持っています。)

事例研究
 私の定義により各塔や建物のタワー性を検証します。
サンシャインシティ、東京都庁
 
  サンシャインシティーや東京都庁の展望室は「塔」とは言えないため、タワーには含めません。

横浜ランドマークタワーと観覧車
  横浜ランドマークタワーはタワーと名乗っていますが、私の定義ではタワーに含みません。
  大観覧車「コスモクロック21」も「塔」とは言えないため、タワーではありません。

  参考画像は松江城と和歌山城です。城も「塔」とは言えないため、タワーには含めません。

犬吠埼灯台
 
  銚子の代表的な展望スポットである犬吠埼灯台。灯台の多くも歩いて登るためタワーには含めま
 せん。なお、特別コーナーとして、犬吠埼灯台のテレホンカードコレクションのページをつくる予定で
 す。(「銚子展望スポット・トライアングル」の中で公開しています。)

地球の丸く見える丘展望館
  同様に、銚子の代表的な展望スポットである地球の丸く見える丘展望館、形状から「塔」とは言え
 ないため、タワーには含めません。

日本海タワーと寒風山回転展望台
  日本海タワーは平成15年8月22日に訪問し、テレホンカードを入手しました。下の建物部分は
 エレベーターで登るのですが、上の「塔」部分には階段で登るため、タワーから外しました。
  寒風山回転展望台は平成3年8月の訪問です。「塔」とは言えないためタワーには含めません。

いこいの村たてやま展望塔と横浜港シンボルタワー
  「いこいの村たてやま展望塔」の形はまさに「塔」であり、観光と展望を目的とした施設です。しかし、
 歩いて登る塔のため私の定義ではタワーに含めません。
 ※テレホンカード左側に塔が写っていますが、これは展望塔ではありません。誤解されるのでカード
 を外そうと考えたのですが、そのまま残して、この注書きを付けることにしました。(2013.01.01)
  「横浜港シンボルタワー」の姿はタワーそのものなのですが、塔の部分には歩いて登るがゆえに、
 このホームページではタワーには含めません。(2012年3月テレホンカード入手しました。)
※「いこいの村たてやま展望塔」の絵はがきがありました。左上に展望塔が写っています。

スカイタワー西東京
 
 「スカイタワー西東京」には展望台が設置されておらず、観光対象ではありません。このためタワー
には含めません。将来の展望台設置に期待したいです。

水戸芸術館 塔
  水戸芸術館 塔の主たる目的は、「展望」より「見られること」を意識した造形にあります。展望も
 小さな丸窓から見える程度です。しかし、あえてエレベーターを設置し、展望を可能にしている点
 から、タワーに含めます。

空中庭園展望台
  空中庭園展望台はどう見ても「塔」とはいえません。また、明らかに新梅田シティ(梅田スカイビル)
 の屋上を展望室とした作りです。横浜ランドマークタワーや東京都庁展望室と同様です。私の定義で
 はタワー類似施設にすべきなのではないでしょうか。
  しかし、空中庭園展望台は全日本タワー協議会に加入しています。タワーと認められているわけで
 す。そこで少し詭弁を弄して、私もタワーに加えることにしましょう。
  横浜ランドマークタワーの展望室や東京都庁展望室はビルの一部であり、展望部分が別にあるわけ
 ではありません。これに対して空中庭園展望台の展望部分(回廊)は明らかに、展望のために別に作
 られた部分です。京都タワーのように、ビルの上にタワーがあることも多いのです。空中庭園展望台は
 あのエスカレーターで登っていく回廊こそがタワーなのです。
  
浅草十二階「凌雲閣」
  浅草十二階「凌雲閣」は明治時代に作られた「塔」ですが、「観光・展望」を目的とした「塔」であり、
 当初はエレベーターで昇降していたとのことですから、タワーに含めるべきなのでしょうね。
 階段で登った時代についてはタワーではないということになりますが、どうしたものでしょうか。単に
 展望塔としたほうが趣があって良いようにも思えますが・・・。(テレホンカードはないと思いますが、
 後年作成された可能性も否定できません。)
 関東大震災で崩壊した凌雲閣をデザインしたふみカードがありました。20世紀デザイン切手をその
 ままカードにしています。(2015.1.18 update
  
初代通天閣
  「初代通天閣」のテレホンカードがありました。初代通天閣は明治45年(1912年)の開業で、浅草
十二階(凌雲閣)より20年ほど後になります。(2017.6.25 update